UV対策だけでは光老化は避けられない?!
2019-2-17
私は、海外の学術誌サイトなどのソースで、皮膚科学の最新知識を得るようにしていますが、化粧品業界がなんとなくスルーしたがってるような気がしている(業界的に気まずい^^;)トピックがありますのでご紹介します。
ここ数年で、最もホットなトピックが肌の「常在菌」、と先日ご紹介しましたが、「紫外線以外の光線による肌の光老化」についても最近、注目をしています。
お肌が劣化する要因の80%を占めると言われるのが、太陽光線による光老化です。
いままでは、UVがその要因とされてきて、日焼け止めなどにはUVを跳ね返したり吸収したりする成分が使用されています。
ところが、最近、UV以外の太陽光に含まれる光の波長…可視光(ようするに「光」ですね)や近赤外線、ブルーライトなども肌老化に影響を与えているということが分かってきました。しかも、無視できない程の影響力があるようなのです。
★UV以外でも肌ダメージ?!
可視光線や近赤外線などは、紫外線よりも波長が長いために、その威力は弱い(たとえば可視光はUVに比べて単位エネルギー当たり約1/20~1/30の威力)のですが、波長が長い光は、より肌の奥深くにまで入り込んでくるという特徴があります。
この可視光は、太陽光のなかには紫外線よりも10~15倍多く含まれています。
ううむ。。。
この肌の奥まで届く可視光線や近紫外線は従来、測定するすべがなかったためか、肌には影響がないとされ、誰も注目していませんでしたが、近年、これらの光線が肌の劣化要因である、ということが近年解明されてきました。
これらの光が与えるダメージは、紫外線が肌に与えるダメージのメカニズムと同じく、活性酸素が発生するというもの。シワ・シミ・たるみ・くすみなどの原因になります。
紫外線以外の光によるダメージは、「日焼け」のようにヒリヒリしたり、肌のトーンが濃くなったりなどの自覚症状がまったくありません。
ダメージを受けたという自覚がないままに、肌老化を引き起こしてしまう危険性があります。
★UV以外の光をブロックするには?
結論から言うとなかなかむずかしいです。
最近は、近赤外線、ブルーライトなどを吸収する素材が化粧品原料として出始めています。
フルフリでも採用することをかなり真剣に検討したのですが、製品内の他の成分やお肌を酸化させてしまったりするおそれもあり、実際の効果も懐疑的、という結果が出ました。
ましてや、可視光を防ぐことは、「見かけを良くする」という化粧品の性格上、不可能です(可視光=見える、ということですからね^^)。
ちなみに、メイクをすることで多少可視光のダメージは軽減されています。
例えば、赤いリップを塗ると、(当たり前ですが)唇が赤く見えますね。
赤く見えるということは、赤い可視光を反射してブロックしてくれている、ということです(青や黄色の光線は吸収されてしまっていますが)。
また、豆知識ですが、可視光にニキビの直接的な原因になるアクネ菌の抑制効果があるという研究もありますので、悪いことばかりではないようです。
★結論
日焼け止めを使っていても、可視光などは防ぎようがありません。
光老化を防ぐためにいちばんいい方法は、以前からずっとフルフリのブログで言っていることの繰り返しになり、耳にタコかもしれませんが、外出時には帽子や日傘! …これに尽きると思います。
太陽から降り注ぐ、紫外線も可視光もブルーライトも近赤外線も、最も威力のある直射光線は日傘や帽子がほとんどすべて跳ね返してくれます。
というわけで帽子と日傘こそが、最も信頼できる美肌の友です。
日焼け止めを販売しておきながら、帽子屋さんの回し者みたいなことを言っておりますね^^;
じゃあ、日焼け止めで紫外線を防いでも意味がないの?と思われるかもしれませんが、、、
紫外線を防ぐことは大いに意味があります。なにせ可視光線の30倍のダメージを与える光線なわけですから!
日焼け止めは、便利なもの。
つばの広い帽子や日傘が使えないときだってありますし、また、公園や海や山など遮る物がない開けた場所では、水面や地面からの反射も多いので帽子をかぶっていても紫外線は完全には防げません。
可視光、近赤外線、ブルーライトは防げなくても、紫外線だけでもある程度防げれば、まあいいんじゃないでしょうか。
で、防げなかった光老化光線は、抗酸化成分をたっぷり含むコスメ成分で、ある程度「なかったことに」しましょう^^
フルフリのおすすめ日焼け止め! → 海と森で日焼け止め