ユキノシタエキス★週刊・コスメ成分ちゃん Vol.9
2010-1-14
ユキノシタエキス★週刊・コスメ成分ちゃん Vol.9
週刊・コスメ成分ちゃんは、化粧品成分を週代わりで詳しく説明していく連載。
「週刊」とはいいつつ、実質は「なるべく週刊」です(笑)。
連載1回目は、ハーブ水のジャーマンカモミール、
連載2回目は、植物エキスのワレモコウ、
連載3回目は、保湿成分のグリセリン。
連載4回目は、保湿成分のクランベリーシードオイル。
連載5回目は、美白UVカット成分の二酸化チタン。
連載6回目は、美肌植物エキス/ハーブ水のローズマリー。
連載7回目は、ハーブ水/オイルのキャロットシード。
連載8回目は、敏感肌にお勧めエキスの甘草(カンゾウ)、
で、今回は、定番おすすめ美肌エキス、「ユキノシタ」です。
漢字で書くと、雪ノ下。
雪の下でもきれいな緑の葉が枯れないから、と聞きました。
漢方では、虎耳草、と呼ばれます。
虎の耳みたい?
民間伝承薬として古くから親しまれてきました。
生の葉の汁を、腫れ物やしもやけ、やけどなどに用いてきましたが、ある成分の発見により、化粧品原料として近年、注目を浴びるようになってきました。
その成分とは??
ユキノシタのすごいところ、その1。
【美白のアンチエイジング】
アルブチンは、定番の美白成分として実績のある成分です。
このアルブチンを多く含むのがユキノシタエキス。
資生堂さんの有名なふき取り美白化粧水に、
メインの成分として採用されたことから、このユキノシタが有名になったのだと思います。
ユキノシタの美白メカニズムは、「チロシナーゼ阻害効果」によるもの。
チロシナーゼとは、メラニンを作る酵素。
この酵素を邪魔することにより、メラニン生成をくいとめて、美白効果をださせようというものです。
メーカーさん資料によると、当店で採用しているユキノシタエキスについて、
『チロシナーゼ活性阻害効果を測定したところ、1%で55.7%、5%で88.1%と顕著な阻害効果が得られました。』との事。
有名な美白成分「コウジ酸」を上回る結果を出したそうです。
また、ユキノシタには紫外線によるDNA傷害の修復を促進する作用のあることも確認されています。要はシミの原因の芽を摘むということです。
通常、日焼け止め剤には紫外線吸収剤や反射させる成分をいれてサンスクリーン効果をだしていますが、ユキノシタの作用はこれらとは違うメカニズムなのです。
というわけで、シミの原因を押さえて、しかもできてしまったシミのメラニン生成を押さえる、というダブル美白効果が期待できるのですが、コスメはクスリではありません。。。 限界があります。
【美白の限界】
まず、ユキノシタの美白メカニズム。即効性はありません!
肌の奥から、メラニンがお肌の表面に上がってくるのに約1ヶ月かかります。
ということは、ユキノシタが効き始めてから、1ヶ月以上たたないと効果が実感できないのです。
また、いくらユキノシタエキスががんばったところで、紫外線があたり続けているような状況では、「焼け石に水」です。
美白の基本は、あくまでも、紫外線にあたらないこと!!
以前、2人の女性皮膚科医さんとランチをしたのですが、食べ終わって、コーヒーでも、と隣の喫茶店に移動するときにも、ささっと日傘や帽子を取り出して日光を避けるのです。
たった、10メートルやそこらですよ!
美白の基本は、紫外線にあたらないこと。
どうしても避けられないものを美白成分でケアしましょう。
化粧品を過信してはいけません。
***
ユキノシタのすごいところ、その2。
【ニキビやくすみ対策にも】
ニキビや毛穴で悩む方が良く使うのがピーリング。
AHAなど強い酸で古い角質を溶かして落とすこの方法は、肌をいためてしまう場合もあります。
ピーリングは、市販のピーリング剤を使用するのではなく、皮膚科医で行なうことをお勧めします。
なぜかというと、敏感肌の方からのクレームを恐れて、ピーリング成分をあまりいれてないことが多いのです。
ケミカルピーリング=刺激で角質層をはがす、わけですから、刺激があって当たり前なのですが。
ピーリング成分入りの石鹸がありますが、石鹸はアルカリ性。
で、ピーリング成分は酸性。
石鹸のアルカリで中和されてしまい多くのAHA入りピーリング石けんは本来の効き目は無いはずです。
話がそれてしまいましたが、ユキノシタエキスは、このピーリングに似た作用が期待できるのです。
AHAなどのピーリング成分は、皮膚をわざと荒らしてはがすことでピーリングしますが、ユキノシタには「ターンオーバー」(自ら角層をはがしていこうとするお肌の生理的な働き)を高めることで余分な角層をはがす効果があるのです。
「デスモソーム分解酵素」という酵素に、肌の古い角質層を落とす作用があるのですが、ニキビができやすかったり、角質が厚くて硬かったり、くすみがちな方の場合、この「デスモソーム分解酵素」の働きがおとろえている場合が多いのです。
この酵素の働きを応援するのが、ユキノシタ。
自然の肌のはたらき(ターンオーバー)を手助けする成分で、お肌にやさしいピーリング効果が期待できます!
大人ニキビは、ターンオーバーが上手にできない方に多いのです。
ターンオーバーがスムーズに行かないと、厚くなりすぎた、かたい角質で、毛穴が詰まってしまいます。
そうすると皮脂が外に出られなくなり、ニキビの元のコメド(白ニキビ)が発生してしまいます。
また、ターンオーバーが不調になってくると、古い角質が肌の表面に残ってしまい、
くすんだような、元気のない印象を与えてしまいます。
くすみでお困りの方にもターンオーバー不調が多いです。
本来は、ピーリングをしなくてもいいように、ターンオーバーが順調になるような、
健康的でストレスのない生活を送ることを心がければいいのですが、体質的に無理だったり、
また、現代社会ではなかなか難しいものがありますよね。
そんなときに頼もしいのが、ユキノシタちゃんなのです!
ユキノシタのすごいところ、その3。
【坑酸化!】
最後におまけ。
ユキノシタには酸化を抑え、炎症を抑える作用もあるのです。
ニキビの最終段階は、赤にきび。
この赤にきびの炎症を抑えることで悪化を防ぎ、痕になるのを防いでくれます。
また、先ほど見てきたように、ニキビの発生原因であるターンオーバー不調も整える手伝いをしてくれます。
また、紫外線は、皮脂や化粧品に含まれる油脂を酸化させ、老化をすすめる過酸化脂質を生成させますが、ユキノシタにはその生成を抑える効果もあります。
こんな商品に入ってます
エキスだけバラでお求めできます。
単体でもいいのですが、他の植物エキスとの併用でさらなる相乗効果が期待できます♪
・あれこれ気になるお年頃に 「植物エキスD:ユキノシタ・月桃・ワレモコウ」
(連載2回目で取り上げました→ 週刊コスメ成分ちゃん: ワレモコウ )
・ニキビが気になる 「植物エキスB: どくだみ・緑茶葉・ユキノシタ」
キット類
こんなキットに入ってます。
・ セージ&どくだみ 化粧水キット
以前はローズのキットにも入っていたのですが、ローズ水と香りの相性が合わないため、降板となりました。
ユキノシタ自体はちょっとクスリっぽい香りがほのかにするくらいなのですが、ローズと混ぜるとなぜかダメなのです。
また、ラベンダーとの相性も良くないです。黒い沈殿物がでやすいのです。
そういえば、どの成分とも相性がよい便利な「植物エキスE:甘草・シャクヤクエキス」(前回の連載→ 甘草(カンゾウ))の発売によって、こちらの「植物エキスD:ユキノシタ・月桃・ワレモコウ」が主役の場を失われた感じですが、必ずしもスキンケア上劣っているわけではありませんので、今回の連載を読んでユキノシタが気になった方、是非お試しされてみてください。
次回、取り上げて欲しい成分があれば、メールでリクエストくださいね。おまちしてます。
では、次回も「なるべく週刊・コスメ成分ちゃん」をよろしくー!
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